■ 炎症性腸疾患(IBD)診療について
炎症性腸疾患(IBD:Inflammatory Bowel Disease)とは、主に潰瘍性大腸炎やクローン病を指し、腸管に慢性的な炎症を引き起こす疾患です。これらの疾患は原因が完全には解明されておらず、根治が難しいため、長期的な管理が必要となります。また、病状は個々の患者様によって異なり、適切な診断と専門的な治療が求められます。
IBDの明確な原因は解明されていませんが、遺伝的要因、環境要因、免疫異常が複雑に関与する多因子疾患とされています。発症年齢は10代から30代の若年層に多いですが、中高年での発症も報告されており、年齢を問わず注意が必要です。また、慢性疾患であるため、長期にわたる専門的な管理が求められます。特に、適切な治療を受けない場合、病状が悪化し手術が必要になるリスクや大腸がんの発症リスクが高まることが指摘されています。したがって、早期診断と適切な治療が非常に重要です。
IBDの診断には、内視鏡検査(大腸カメラ・小腸カプセル内視鏡)、CT検査、血液検査などが不可欠です。治療法としては、5-ASA製剤やステロイド、免疫調整薬、生物学的製剤などがあり、病状に応じて適切な治療法を選択します。特に、生物学的製剤は近年の治療の進歩により有効性が高まっていますが、使用には専門的な知識と管理が必要です。
当院では、内科副院長が長年東北大学病院・消化器内科に在籍し、IBD診療に豊富な経験を有しているため、炎症性腸疾患の診療が可能です。また、診断に必要な内視鏡検査、CT検査、採血検査を院内で行い、即時に結果を確認できる体制を整えています。さらに、治療に必要な生物学的製剤を含む特殊な治療薬についても、適切に対応できるよう準備しております。
当院では、みやぎ県南中核病院や東北大学病院などの専門医療機関と密接に連携し、必要に応じて適切な医療機関への紹介も行っております。IBDは長期的な管理が必要な病気ですが、当院での診療を通じて、患者様が安心して治療を続けられるようサポートいたします。
土曜日の診療も可能ですので、お気軽にご相談ください。